元シンクロ選手が化粧品開発会社を設立 / ミウ・コスメティックス株式会社

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

元シンクロ選手という顔をもつ藪野さんが開発したのが、炭酸ガスを含んだ化粧品。100人以上の協力者を得て、製造会社と100回以上もやり取りを続け、商品を開発する。企画・開発・販売を一貫して手がける彼女の奮闘ぶりを紹介する。

 

 今年3月、「ペルル シャンパーニュ」というスキンケアブランドが誕生した。商品開発と販売を行うのはミウ・コスメティックス株式会社。同社を設立したのは、シンクロナイズドスイミングの元日本代表選手の藪野美生さんだ。

「シンクロ選手時代、一日中プールに入っていたため、塩素で肌がただれてしまうんです。ずっと肌のケアに悩んで、色々な化粧品を試してみたり、クリニックに通ったりと、薬だけでなく、肌を元気にすることに強い興味がありました」

 そんな藪野さんが化粧品の開発販売会社を設立することになったきっかけは、炭酸ガスについて知ったときだった。
「炭酸ガスが肌にすごくいいと知り合いから教えてもらったんです。その当時、炭酸ガスを使ったスキンケア用品というのはほとんど市販されておらず、エステ や医療など特別なところで使う物でしかなかった。確かに、炭酸飲料だけでなく、ドイツの炭酸泉バーデンバーデンや、日本の長湯など実はとっても身近なとこ ろにもあって。こんなに体に良いならどうにかして形にしたい。ならば自分で作ればいい!と思ったんです」

 とはいえ、化粧品作りに関しては素人の藪野さん。商品力の高い“本当にいいもの”を作るためには美容関連のエキスパートが必要だと考えた。当時、 化粧品のモデルとしても活躍していたため、仕事で知り合った化粧品会社の人間やヘアメイクアーティストに自分の思いを話してみることに。その結果、10人 もの賛同者が集まり、2002年、炭酸ガス入りの化粧品開発が始まった。

 

品質には絶対に妥協しない。
製造会社とのやりとりは納得いくまで続いた

株式会社ビッグバイオ

 商品化を進めるにあたって、まずはコンセプトを考えた。
「高品質というのは絶対条件。でもそれだけでなく、デザインや、使う段階の仕組みの開発にも徹底的にこだわろうと決めました。ただの化粧品ではなくて、手 に取ったときにドキドキ、ワクワクして人生を楽しめる、そんなライフスタイルまでをもコーディネートするような商品にしたかったんです。」
  コンセプトが決まると、いよいよ具体的な商品案を考えた。仲間の意見はもちろんだが、外部の人間の意見も重要視した。
「いろんな世代の女性の意見を取り入れたいと思ったんです。若い女性から中年の方まで、品質、デザイン、使い心地、質に見合う価格などについて聞き、その 意見を参考に商品化しました。また、ラッキーなことに、最初に決起したときから一流メイクアップアーティストの東條氏が参加してくれていたので、彼に肌を 預けている多くの女優さんやモデルさんの声を現場で聞いて、商品に取り入れることができました。これはかなりの強みでしたね。そして最初のうちは50人 位、最終的には100人以上の方に聞きました。品質については、内部の人間の知識で足りないところもあるので、化粧品のドクターをアドバイザーとして迎え 入れました」
 
  製造会社は、高品質の商品が作れる実績を持つ会社を選んだ。それでも一つの製品を作り上げるまでに100回以上、製造会社とやりとりを続けた。
「絶対にユーザーを裏切れないので、妥協はできない。ちょっとでも品質に納得いかない点があれば何度でも、どんなに時間がかかって大変でもやり直しをして もらいました。開発費用はかなりかかりましたが、いいものをつくるための先行投資だったと思っているので無駄だとは全く思っていないんです」

 

ブランド確立のため販路にも細心の注意を払う

 藪野さんが商品化を決意してから約3年半後の2006年3月、ミウ・コスメティックス株式会社を設立。スキンケアブランド「ペルル シャンパーニュ」として炭酸ガス入り化粧水「スプラッシュホリック」を含めた3種類のスキンケア商品の販売を始める。
「私達は単なる化粧品という商品を作ったのではなく、素敵な人生を送る女性を応援したいと思っています。でも商品の開発だけではそのコンセプトをユーザー に届けるのは難しい。しっかりとコンセプトのある化粧品ブランドとして確立させるためにも、自分たちで販売までするべきだと考えました。また、自分たちで 販売すれば、ユーザーの生の声を聞くことができます。ユーザーの要望や意見は今後の商品開発に参考になるので、とても貴重なんです」

 当初、「ペルル シャンパーニュ」のファンとなってくれるユーザーの期待を裏切らないよう、ブランドコンセプトに合った販路を見つけるのには苦労したという。
「例えば簡単に安売りをしてしまうような所では、ブランド価値が下がってしまうので販売しないようにしていました。これから販路拡大も狙っていきますが、妥協せずに私たちの思いがしっかりとユーザーに伝わる場所を作っていきたいと思っています」

藪野美生さんプロフィール

阪本惠子さん

1983 年、東京生まれ。シンクロナイズドスイミング選手として14年間活躍。ナショナルチームの選手にも選ばれた実力の持ち主。大学2年のときに現役を引退し、 その後、ファッション美容業界の仕事をする。2006年3月にミウ・コスメティックス株式会社を設立。

会社概要

ミウ・コスメティックス株式会社
設立/2006年3月
資本金/3130万円

起業、経営ノウハウが詰まったツールのすべてが、
ここにあります。

無料で始める