未来型農業の実現に向けて / NPO法人TINA

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局
秋葉秀央さん
秋葉秀央さん
●1980年、千葉県生まれ。WEBシステム会社を経て、2003年7月、NPO法人TINAを設立申請。「おこめナビ」をはじめ、都市と農村の交流事業、産直品基準創出「産直番付」など、「革新的な未来型農業を創造」する活動を行っている。
おこめナビ URL:
http://okomenavi.jp/

 

農家と消費者をつなぐ米のショッピングサイト「おこめナビ」
農家と消費者をつなぐ米のショッピングサイト「おこめナビ」
 
農業体験ツアー「田舎日記」で、古代米を収穫
農業体験ツアー「田舎日記」で、古代米を収穫
 
220種類の古代米種籾の普及活動も行っている
220種類の古代米種籾の普及活動も行っている

農業の営業担当になる!
農業と地域の活性化を目指す
アグリアントレプレナー

 

農家の抱える諸問題を解決したい

「米のショッピングサイトというモデルは、当時在籍していたWEBシステム会社の新規事業として思いついたものだったんです」
という秋葉さん。そのアイデアが生まれたのには、ふたつの理由があったという。

「もともと実家が米の専業農家だったのですが、僕が小学生のときに兼業農家になり、中学生のときに離農した。その原体験があったということ。
もうひとつは、2003年7月に改正食糧法が成立し、誰でも米が販売できるという規制緩和が決定したことが大きかったですね」

アイデアを実行に移すべく、秋葉さんはテントに寝泊りをしながら、農家の人々にその構想を話して回る。
しかし、その場で農家の話を聞くにつれ、ある疑問を持つように。

「既存の流通にはのらないような米の販売をはじめとして、米離れや後継者不在、ダサい・キツい・儲からないという農業のイメージ……。そんな農業が抱えるさまざまな問題は、インターネットで米を売るという仕組みだけで解決するのだろうか」

その問いに、出した答えはNO。そこから秋葉さんの取った行動は早かった。

勤務先の社長の理解と協力を得て「革新的な未来型農業の創造」を掲げるNPO法人TINAを設立し、同社を退職。
その活動第一弾として「おこめナビ」を立ち上げることになる。
 

米の持つ付加価値を可視化する「おこめナビ」

「おこめナビ」は米の販売を通して、生産者と消費者がコミュニケーションをとることにより、お互いがより喜べる米づくりの実現を目的としている。
生産者は米とともに思いを伝え、消費者は感謝とニーズを伝える。
今まではブラックボックスとなっていた米の付加価値を可視化する場、
それが「おこめナビ」なのだ。

そのやりがいを聞いてみると、
「うーん、農家と消費者の両方から感謝されることかな」

そして、ある思い出を語ってくれた。
「最初に登録してくれた農家のおじいちゃんがいるんです。
“売れても売れなくてもいい。お前に100kgやる”と。
結局オープン2ヶ月でほぼ完売状態になったんですが、パソコンを持ってないから、
注文は毎回FAXで流していたんです。
注文時間がたとえ夜中の2時でもすぐに送って。
そうしたら、あるとき突然メールが届いたんですよ。
“毎回FAXだと大変だろう。パソコンを買ったから”
75才にもなるおじいちゃんからのいきなりのメールには、かなり感動しました」

それは、小さな変化かもしれない。
しかし、そんな小さな変化も重なれば、大きな波になる。

「おこめナビの登録農家は、おこめナビ以外での売り上げも伸ばしているんです。
東京の若造に米が売れるなら、俺にもできるはずって思うのは自然なこと。
そうやって、農家が元気になっていくのはうれしいですね」

未来型農業の実現に向けて、 いつまでも挑戦し続けたい

秋葉さんは、着々とその活動の場を広げている。

「僕が目指しているのは、農業と地域の活性化です。
その着地点のひとつが都市と農村の交流事業として行っている『田舎日記』という農業体験ツアー。
古代米の普及啓発活動。
それから、現在力を入れているのが『産直番付』です。
これは、米はもちろん、海産物やワインなどの産地直送品を、モニターになった一般の方々に番付してもらうブログです。
そこで評価の高かったモノを、『うまいものコンシェルジェ』というサイトで販売。
ブログでオススメをしてくれるモニターとは、アフィリエイト契約を結ぶ仕組みになっています。」

いつまでも挑戦し続けたい、という秋葉さん。
その思いは、確実に農業の世界に一石を投じている。

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