足の悩みを抱える人たちの力になりたい / フットクリエイト

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

フットクリエイト 桜井一男さん・寿美さん「元気だった主人の母が亡くなって、同じ時期に阪神大震災を経験しました。この出来事から、毎日の生活の中で決して悔いを残してはいけない、ということを実感。2人で独立を目指す決意をしたのです」

自動車販売会社勤務のご主人と、フィットネスクラブの営業担当だった妻の寿美さん。長年、外反母趾や偏平足など足のトラブルに悩まされていた寿美さんが、画期的なドイツのフットケアを知ったのが独立のきっかけだった。

「足のトラブルを持つ多くの人にこの方法を教えてあげたい、と考えたんです。せっかく始めるなら夫婦で開業したい。2人で力を合わせて、足にトラブルを抱える人を一人でも多く救いたかったんです」

ドイツの整形外科靴マイスターの知識と技術を夫婦で学び、「フットクリエイト」をオープン。足のタコやウオノメを削ったり、巻き爪矯正、足のマッサージを行うほか、個々に合ったインソールや靴をつくる「足の総合ドクター」となる。

「お客様の喜ぶ顔を見ることが幸せ」と話す、桜井一男さん・寿美さんの夢の扉はこちら。
 

【その夢が生まれた瞬間とは】 

「前職で営業担当をしていた時は、毎日パンプスを履いて歩き回る日々。なかなか自分にぴったりの靴が見つからず、外反母趾や偏平足、タコの痛みなど、さまざまな足の問題に悩まされていました」

フィットネスクラブの営業担当をしていた妻の寿美さんが仕事中に履くパンプスは、カカトが細くて高いもの。その靴は、長い距離を歩くには最適なものとは言い難かった。

「毎日痛みとの戦いでしたが、それを治すためにどこに相談すればいいのか分からなかったんです」

そ んな時、ご主人の一男さんが見つけたのが、ドイツの整形外科靴マイスターについて書かれた一冊の本だった。そこには、自分にあった靴探しのポイントやイン ソールのこと、また、フットケア方法など、今まで聞いたこともないような足と靴についての情報が書かれている。以前から抱えていた足の悩みの原因もこの本 で理解することができた。もっとくわしく足と靴について学びたいと考えた桜井さん夫妻は、名古屋で開催されていた「足と靴」についての講習会にも参加した。

「妻と話し合って、まずは私が足・靴の知識やインソールについて学ぶ講習会に参加しました。続いて彼女が、フットケアを勉強するための講習会を受講したのです」

こ れからの高齢化社会こそ、ますますこのようなサービスが必要になると実感し、「足のトラブルを持つ多くの人にこの方法を教えてあげたい」と考えた。どうせ 始めるなら夫婦で開業したい。しかし、今まで企業に属して働いた経験しかない桜井さん夫妻にとって、独立することは大きな勇気を必要とするものだった。そ んな時、

「元気だった主人の母が亡くなって、同じ時期に阪神大震災を経験しました。その出来事から、毎日の生活の中で決して悔いを残してはいけない、ということを実感。2人で独立を目指す決意をしたのです」

【起業の一歩はどうやって】

夫 婦での起業とはいえ、やはり不安は募るばかり。妻の寿美さんは少しでも参考になるようにと、京都府中小企業センターの主催する「起業家向けセミナー」や、 NPO団体の「女性起業家セミナー」を受講し、起業に関するノウハウを学んだ。その頃、ご主人の一男さんは、靴とインソールの知識を高めるために勉強を重 ねていた。

こうして夫婦で力を合わせ、足の健康を考える店「フットクリエイト」をオープン。足のタコやウオノメを削ったり、巻き爪矯正、足のマッサージを行うほか、足の健康を第一に考えた靴の販売や、個々に合ったインソールをつくるいわば「足の総合ドクター」となったのだ。

「当 初はインソールをつくるのに、店で足のプリントを撮って外注していたんです。その方法だと一人4万円近くかかってしまう。多くの人の足のトラブルを解消し たいのに、この値段ではとても利用してもらえません。そこで、清水の舞台から飛び降りる覚悟でインソールを CAD/CAMシステムで製作できる機械を購入しようと決意しました」

桜井さん夫妻はドイツに出かけ、メーカーから直接機械を購入。しか し、日本に輸入してみると、説明書、オペレート機能ともにドイツ語。操作方法もわからず、通訳を呼んでドイツのメーカーに問い合わせたり、辞書を買って必 死に説明書を解読した。こうして、購入から約1年後、何とか機械操作に成功したのだった。

「最初の頃は開業準備や機械購入に資金がかかる一方、収入はほとんどありませんでした。だから、生活費を稼ぐために、本業を終えてから2人でアルバイトをしたこともあるんですよ。でも、人に喜ばれる仕事をしているという自負があったから乗り越えられたんです」

【その夢は、いま育っている?】

桜井さんご夫婦は、仕事という共通の世界をもてたことで、前職の頃より格段に会話が多くなったと喜ぶ。

「仕事に対して話し合う前向きな2人になれたと思いますよ。人の足には、ふたつと同じものがないから日々学ぶことも多いんです。そのたびに、どうしたらお客様にとって一番良いのか意見交換できるのもいいですね」

こうした夫婦そろっての温かい接客が評判になり、自分の足のカルテを預けるリピーターは5,000名を超えている。中には、足の痛みを気にすることなく歩けるようになったお陰で、あきらめていた旅行にも出かけられるようになった顧客もいるほどだ。

「今後は、『歩いて健康』をテーマにさまざまな業種の人たちとコラボレートして、新しい仕事を生み出せたらいいと思っています。今後も、夫婦で力を合わせて一人でも多くのお客様の喜ぶ顔を見たいですね」

【概要】
フットクリエイト
開業:  1998年 2月
開業資金:  600万円
URL:  http://www.footcreate.com

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