ケーキを手にしたお客さまの笑顔を見るのが幸せ / ケーキハウス ファミーユ

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

ケーキハウス ファミーユ 西村洋三さん・尚子さんともに大手洋菓子メーカーに勤め、将来は自分の店を持つことを夢見ていた西村さん夫妻。出産を期に退職し、専業主婦となった妻・尚子さんは、開業の 夢に向かって2年前からパートを始めた。当初は1人で開業を目指していたが、それでは規模も小さく、事業としては採算ベースに乗らない。思い切ってご主人 の洋三さんに『2人でケーキ屋を始めよう!』と提案するが、先が見えないという理由から、すぐには返事がもらえなかった。

「22年間勤めていて、収入も安定していましたから、独立するにはかなり勇気が必要でした。しかし会社が実力給を導入することになり、考え方が変ったんです。自分の力量しだいというなら、開業して実力を試したいと思ったんです」

一年後、兵庫県西宮市の新興住宅地に、住居兼店舗を新築。
自然の味にこだわったオリジナルケーキづくりに奮闘中だ。

【その夢が生まれた瞬間とは】 

大手洋菓子メーカーで、22年間ケーキの製造に携わっていたご主人の洋三さん。会社勤務をしていた頃から、将来は自分の店を開業するという夢を抱いていた。

一方、妻の尚子さんは、以前、洋三さんと同じ会社で製造、商品開発に携わっていた。出産を期に退職し専業主婦となったが、子育てがひと段落した2年前から、開業を目指しケーキ屋でパートを始める。

「実は、結婚前から私も開業を夢みていたんです。その準備としてパートを始めたのですが、毎日ケーキに触れていると、自分の店を出したいという思いが日に日に強くなっていくのです」

当初は1人でケーキ屋を開業しようと考えていた尚子さん。けれども、1人でつくるケーキの量では、事業として成り立たない。それなら主人と2人で開業すれば、事業を大きくすることができると考えたのだ。ある日、尚子さんは意を決して洋三さんに直談判をした。

「『ケーキ店を始めよう!』と、突然妻が言い出したのです。もちろん、すぐには賛成できませんでしたね。成功するか分かりませんし、会社員のほうが経済的には安定していますから」

若い頃から独立という同じ夢を抱いていた西村さん夫妻だが、いざとなると洋三さんはなかなか踏み切れない。しかし、この頃導入された会社の新しい給与制度が、彼に独立を決意させることとなる。

「勤務先が実力給を導入し始めたんです。そうなると将来の安定性もあまり期待できません。どうせ実力主義なら会社員で頑張るより、独立した方が自分の実力も試せるし、おもしろそうだと思ったんです。それから、具体的に独立をイメージするようになりました」

【起業の一歩はどうやって】

西 村さん夫妻は、早速、場所選びから取りかかった。出店地は周囲に競合店がなく、ファミリー層向けのマンションが多い場所が第一候補。すると、道幅が広く整 備され、向かいには親子が集まる公園が広がる好立地を見つけることができた。子供たちを含め、家族全員で店を運営していきたいという思いから、自宅兼店舗 の新築を決意。その願いを込めて、店名はフランス語で家族を意味する『ファミーユ』に決めた。

「オープン前には手書きのチラシをつくり、妻 の友人にも応援を頼んで周辺のマンションに配りました。そのお陰もあって、開業1ヵ月ほどは寝る暇もないほどの大盛況。けれども、夏は猛暑のせいか客足が どっと落ちてしまったんです。私も妻もお菓子をつくるのが専門で、経営はまったくの素人。何を改善すればよいのか悩んで、ずいぶん2人で話し合いました」

顧客ニーズを探るため、どんなケーキが食べたいかを来店する客や友人たちに尋ねまわった。結果、集まった声を踏まえてつくった涼しげなゼリー商品は大好評。売れ残りを覚悟して、新しい商品を多数ショーケースに並べた。

「それが評判でお客様が戻り始め、何とかピンチを乗り越えることができました。最近では、バースデーケーキの注文がたくさん入るんです。自分のつくったケーキが、お客様の思い出づくりの一端になるのは、この上なくうれしいですね」

【その夢は、いま育っている?】

店 舗の上階が住居のため、尚子さんは仕事の合間に家事ができることも助かっているという。土日は子供たちも気軽に店を手伝ってくれるので、家族一緒の時間が 増えるという、うれしいおまけもついてきた。また、夫婦だと気兼ねなく意見を言いあえるので、「仕事のストレスが少ないこともいい」と話す尚子さん。

「夫婦で開業したことのデメリットをあえて上げるなら、仕事のことで夫婦ゲンカが多くなったことかな。お互いこだわりが強いので、新しい商品のことで意見が衝突してしまうんです。たいていは夫が折れてくれて納まっていますけどね(笑)」
そう話す尚子さんの表情までも、何だか楽しそうだ。

素材を生かした自然の味をコンセプトに、オリジナルケーキをつくる西村さん夫妻。ケーキを手にしたお客さまの笑顔を見ることが一番の幸せだと話す。そんな夫妻の次なる夢は?

「妻は新たに喫茶スペースをつくりたいと言うんですよ。いまは店を軌道にのせることで精一杯ですが、3人の子供たちが独立して家を出ていったら、2階を改装すればその夢も実現できそうだなと思っています。新しい目標に向かって今後もさらに2人で頑張りたいですね」

【概要】
ケーキハウス ファミーユ
所在地 :  兵庫県西宮市
設立:  2004年 4月
開業資金: 500万円
従業員:  パート 1名、アルバイト 2名

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