「したいことだけやる。したくないことはしない」 / (有)ニードフォーチェンジ

この記事はに専門家 によって監修されました。

執筆者: ドリームゲート事務局

008会社で社会経験を積んで、1年間は仕事がなくても食べていける生活費と開業資金を貯めて、あとは独立セミ ナーで経営実務の修得…。起業に必要なことを数え上げるときりがない。あれこれ考えるうちに疲れ果ててしまう人もいるのではないだろうか。ところが、実際 に起業を実現した人たちは考え方が至ってシンプルだ。

大学生から翻訳・ WEB制作会社を起業した田中克明さんも、実に単純明快。

「大 学に入っていちばん僕が衝撃を受けた言葉は、『したいことをする、したくないことはしない』です。僕がうじうじしているときに、先輩に言われた言葉です。 『せっかくの大学生活なんだからしたいことをすればいい。就職したらしたくないこともしなくてはいけないんだから』ってね。そのとき『なるほど!』って思 いました。

でも、なぜ社会人になったらしたいことをしたらだめなんだろうという疑問が湧いてきて…。もし、社会人になってもしたいことができたら、それはもっと嬉しいことじゃないですか。いま思えば、その疑問が会社に入るという以外の道を考えさせてくれたのだと思います」

起業のきっかけは偶然だった。プログラマーのアルバイトをしていたとき、自作のWEBをたまたま見た友人の父親が「これは面白い」と、会社のシステム開発を発注してくれたのだ。発注額は300万円。

 

「正直いきなりの話で驚きました。ただ、そのころなんとか就職という道を選ばないで生きていく方法はないかと、考え始めていたんですね。で、これは僕がこの世に生まれてきたことの次ぐらいに大きなチャンスだと思ったのです。それで、思い切って会社を設立しました」

設立当初は、プログラム開発とネットワーク整備が中心だったが、やがて現在の本業となる翻訳業が加わる。

「学 生時代は英語部に入っていたんです。そこで日本が海外に情報を発信していくうえで、翻訳という仕事の必要性を痛感していました。できれば、翻訳を事業の柱 にしたいと思っていたところにサークルの先輩がやっていた翻訳代行の団体を引き継ぐことになった。すでに会社としても翻訳スタッフを抱えていましたので、 幸運にもすぐに業務を始めることができました」

独立3年目。翻訳スタッフは900人近くに達し、65ヶ国語に対応できるという。目標は映画 のエンドロールに社名のニードフォーチェンジを流すこと。ちなみに、社名の由来は「変わらなきゃに必要性を!」。その仕事がなぜ必要なのか、それをずっと 自分に問い続けたいと命名した。

「僕は30歳で引退したいと思っています。引退して家族でしたいことだけをしてすごす、 そんな人生を実現したい。でも仕事をやめてしまうのではありません。これからもこんな仕事がしたい!って思えば、その仕事をする。そういう気ままな生活が したいんです。わがままに聞こえるかも知れませんが、みんなに言い続けているのできっと実現できると思います(笑)」

起業にとどまらず、 転職だって、それこそ海外での起業だって「やれない理由」を探せばわんさと出てくる。挑戦を阻んでいるのは、「組織に属する」ことへのこだわりかもしれな い。それは安定への執着ともいえるだろう。組織にこだわるより、自分にこだわったときに初めて足が踏み出せる。「やりたいことをやる」。起業のキーワード はシンプルだ。

【田中 克明氏プロフィール】

兵庫県生まれ。中学時代は研究者にあこがれ、理科部に所属。応用化学を学ぶべく高専を志望するも、色盲と診断され断念。普通科高校へ進み、大 学では経済学部で学ぶ。在学中、「失恋で落ち込む友人を励まそう」とホームページ作りに誘ったところ、自分がはまってしまい、プログラミングに目覚める。 その技術が注目され、2001年7月、大学3年生の時に起業、会社を設立する。翻訳で世界一の会社をめざす。趣味は歴史小説、器械体操、ディスカッショ ン。

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