第111回 株式会社リブセンス 村上太一 5

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<未来へ~リブセンスが目指すもの>
平和で健全な成長戦略を継続していきながら、リブセンスをできる限り大きな会社に育てたい

 職を探している人と働き手を求めている企業双方をつなぐサービスとして、2009年11月には派遣社員求人サイト「ジョブセンス派遣」を、また、今年の4月には賃貸住居を探している人と不動産オーナー双方をつなぐ不動産賃貸情報サイト「door賃貸」をスタートしています。どちらも、まだまだ不便を感じているサービス領域であり、仕組みを改善できると踏んで挑戦を始めたビジネスです。当社は、既存にあるマーケットで"ナンバーワン"を取りに行くビジネスと、未開拓のマーケットで"オンリーワン"をつくり出すビジネスの両方を手がけてきたい。レシピなら「クックパッド」、グルメのランキングなら「食べログ」。ひとつの新しい文化、代名詞になるようなオンリーワンのサービス創出に取り組み始めます。

 私はまだ23歳ですが、60歳くらいまではバリバリ働いていたいと思っています。だから、それまでにリブセンスをできるだけ大きな会社にしていきたいです。ただ、社員が辞めることを前提に大量採用するといった規模拡大はしたくありません。現在、当社の社員数は約30名ですが、半数は技術者。社員採用を始めてから、まだ1人だけしか退職者が出ていません。会社の成長と社員の幸せが常に同じベクトルに向かっているような、そんな平和で健全な成長を続けていけるといいですね。そうそう、私はクックパッド社の上場式典を見学しています。何でもイメージが大事だと思っていて、自分も上場記念の打鐘をするシーンをこの目に焼き付けてイメージしようと。まずは打鐘する前に、こっちを向いて記念撮影のポーズ。そこまでイメージしています(笑)。できるだけ早いタイミングで、実現したいですね。

 ちなみに23歳の私は、新卒入社でいえばまだ2年目の新人で、社員の中では最年少であるにもかかわらず社長。来年4月には新卒3人を迎え、やっと年下の社員を持つことができるわけです(笑)。そんな私の夢は、もっともっと影響力のある会社をつくること。世の中を見渡してみて、何かが「変だ」「おかしい」と思った時に変えることのできる力を持ちたい。教育でいうと、すでにひとつ変えたいと考えていることがあります。私が高校生だった頃に、成功した経営者に会えて、話をすることができたらもっと何かが違っていた気がするんです。今もそんな授業や講座を持った高校の話をほとんど聞くことがないので、たとえば自分の力でそのような環境を高校生のためにつくってあげたい。でも、大きな影響力のある会社になるためには、まず自分に余裕を増やさなければなりません。今、個人的に毎月ユニセフ募金をしていますが、私が今以上に成功すれば、その額は必然的に大きくなっていきます。やりたいことを実現するためには、今やらなければならないことを着実にこなし、成長することが不可欠だと思っています。

<これから起業を目指す人たちへのメッセージ>
自分が幸せになれることで、相手を幸せにできること。
まずは自分目線のアイデアを仕事にするのが一番

 何事も大した意味はないと思っています。高校時代に「何でテニスを頑張るの?」と聞かれても、「楽しいから」であり、起業前に「なぜこのビジネスを手がけるの?」と聞かれても、「やりたいから」でした。でも、そうやってやると決めたことに関しては、必死で黙々とやるんです。ただ、その対象が時おり変わっているだけ。では、生きる意味とは? これがリブセンスという社名になっているのですが、誰もが幸せになるために生きていることは間違いないと思うんです。誰かに贈り物をした時、相手を幸せな気持ちにするという側面もありますが、もうひとつはその行為をしている自分が好きだからじゃないですか。そう考えていくと、結局、相手が幸せになることによって自分が幸せになれるような仕事をするのが一番。だから、リブセンスのモットーは「幸せから生まれる幸せ」なのです。

 大学生の方々には、学生起業にはいろんなメリットがあるので、ぜひやるべきと言いたい。特に、1、2年ならすぐに失敗してもそのまま学生に戻れるじゃないですか。年を取れば取るほど、成功率もリスクも高まっていきます。考えていることがあるのなら前に一歩を踏み出して、行動に移しましょうよ。私は小さな頃から大学時代まで、ずっと起業することを口に出して周囲に話していました。それによって得られた貴重な情報もたくさんあります。行動しないと、やりたいことの本質は見えてこないのです。一方、社会人の方々には、きちんと成果を出してから起業しましょうとお伝えしたいです。逃避で始めたことは、大成しないと思います。できることなら今いる会社でトップを取って、惜しまれながら会社を去る。そんな起業の始まりが、大成するやり方だと思います。

 今後、ビジネスチャンスのあるマーケットをひとつ挙げるとするなら、介護関連ビジネス。日本は世界でナンバーワンの長寿大国で、少子高齢化まっしぐらです。そして、同じような道をたどる国がきっと出てきます。特に一人っ子政策を講じていた中国などは間違いないでしょうね。今のうちに国内で介護関連ビジネスにトライしてノウハウをしっかり貯め、海外へ持っていきやすいような仕組みを構築しておけばいい。そのほかにもネットのニュースサイトで1日に数百件の記事を見る。見出しの単語を見ているだけで、事業アイデアが思い浮かぶことだってあります。新しい情報デバイスがどんどん生まれて、いつでもどこでもネットにアクセスできる便利な世の中なのですから、情報をどんどん仕入れて使わないともったいないですよ。

<了>

取材・文:菊池徳行(アメイジングニッポン)
撮影:内海明啓
※この記事は2011年に取材、執筆されたものです。

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