第108回 株式会社ディー・エヌ・エー 南場智子 5

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<未来へ~DeNAが目指すもの>
5年以内に世界をあっと驚かす、大成功事例をつくり出したい!

 グローバルに世界を切り拓いていくための、DeNAアイデンティティーを確立していきます。世界中の人々が、「DeNAが登場するBefore・Afterで、世の中がこんなに違っていたんだ!」と、あっと驚くほどの大きなインパクトを残したいと本気で思っています。新たな購買手法なのか、余暇の過ごし方なのか、友だちとの出会い方なのか、才能の発揮の仕方なのか、手がける分野はいろいろあると思うのですが、地球上の人々が喜ぶことを、続けていきたいんですね。こんな大言壮語をしても、妄想癖なんて言われない状況にようやくなったと思っています。ITの領域で、世界を代表する日本企業が思い浮かびますか? グーグル、フェイスブック、ジンガなど、全部アメリカの企業ばかり。それもここ10年以内に、にょきにょきとゼロから生まれてきた。悔しいじゃないですか。だからこそ、日本をオリジンとするチームDeNAが、世界の人材、ノウハウを集めて、そのポジションを目指すのです。

 50年ぶりに、ソニーや任天堂のような、真の日本発グローバル・リーディング・カンパニーを目指す。私たちは2010年を、その元年と位置づけました。その夢を実現するためにも、成長し続けること、挑戦し続けること、機動力を維持し続けること。永久ベンチャーであり続けたいと思っています。ベンチャーだけど、人材はとびきり優秀というような。PCオークションからスタートし、ショッピング、モバイルオークション、モバイル広告ネットワーク、モバイルSNS、ソーシャルゲームと、成長のエンジンがどんどん変わっています。ちみなに今年度内に、NTTドコモと合弁会社と設立し、「E★エブリスタ」という、ケータイ小説のみならず、コミックやイラスト、写真、レシピ、俳句など、数多くのジャンルの投稿・閲覧ができ、幅広い年齢層に楽しんでいただけるサービスを提供する予定です。しばらくはIT&モバイルという軸は外さず、今後の2年くらいのキーワードは"ソーシャル"ではないでしょうか。

 今、毎月1週間をシリコンバレー、3週間を東京というスケジュールで生活していますが、地球って案外狭いんですよね。国や地域など、既存の枠にとらわれず、世界を視野に挑戦し続けます。新潟に生まれ、2度の留学を経て、コンサルタント業務に長く携わってきました。でも、私の人生は1999年から始まったと思っています。日本の人口はシュリンクしていきますが、国内のモバイル保有台数は1億台、世界では40億台。そしてこのマーケットは、世界規模で見ればこれからもますます拡大していくでしょう。起業から10年の間に、モバイル先進国の日本で、いくつかの日本最大規模のサービスを生み出すことができました。この先行者メリットを十分に生かしながら、私たちチームDeNAは、5年以内に世界をあっと驚かす大成功事例をつくり出します。お楽しみに!

<これから起業を目指す人たちへのメッセージ>
どうせやるなら世界を自分のアイデアで支配したいとか、
そんな純粋な野心を持ってチャレンジしてほしい

 日本が起業したくなる環境かと聞かれると、「そうではない」と答えざるを得ませんよね。シリコンバレーでは、アントレプレナーやエンジニアのステイタスが異様に高い。弁護士やコンサルタントなんて下のほうですよ。また、研究機関や金融の仕組みなど、起業を後押しする仕組みが素晴らしく整備されている。今もきっと、にょきにょきとベンチャー企業が誕生していて、そのうちの数社が10年後のリーディング・カンパニーになっているかもしれません。一方、経済も国民も、いまだ大企業頼りの日本。アントレプレナーが尊敬されているとはまったく思えないですし、金融機関から融資を受ける際には個人保証をつけられ、失敗したら身ぐるみはがされる。ちょっと賢い人は、きっと起業しないと思います(苦笑)。誰だって、ミゼラブルな人生を送りたくないから。

 先日、ドリームゲートの「大挑戦者祭」というイベントで講演をさせてもらいましたが、起業環境が遅れた現代日本の中にもけっこういましたね! 本気で起業を目指す方々が集まっていた。ビジネスプラン・コンテストでプレゼンした人の中にも、規模はまだ小さいけれど、多国籍チームで事業を進めている人が数チーム見受けられました。あの方々は日本の希望だと思います。マスコミをもっと巻き込んで、かっこいいアントレプレナーのヒーロー、ヒロインを仕立ててほしいです。その場合、私みたいな元・マッキンゼーとか、過去の経歴が立つ人ではなく、普通の会社員の脱サラケースとか、大学中退で起業のケースとか、普通の市井から出たヒーローのほうがインパクトはありますよね。ご本人が持つ、ピカピカの実力の証明にもなりますし。

 当社のモバゲーAPIもそうですが、いろいろな仕組みがオープン化され、起業のチャンスは世界的に広がっていると思います。勝負するなら、今のほうがいいですよ。難しい時にスタートして成功したほうが目立ちますし、いろんな意味で取り分も多いですから(笑)。ただ、どうせやるなら世界を目指してほしい。たとえばですが、世界を自分のアイデアで支配したいとか、そんな純粋な野心をもつことです。私はひとりでも多くの日本人にシリコンバレーを見学してほしい。シリコンバレーの多国籍軍アントレプレナーたちは、地球を自由に闊歩しています。同僚のインド人が母国にある格安の開発先を開拓し、アフリカ人が格安のコールセンターを見つけてくる。日本なら数カ月の時間を要することを、彼ら数人の多国籍ベンチャーはたったの6時間で実現してしまう。現実論としてあれこれ言いましたが、そうは言っても私は日本が大好きなんです。だから、日本発の永久ベンチャーであり続けたいと頑張っているのです。みなさんにもせひ、挑戦し続けてほしいと願っています。

<了>

取材・文:菊池徳行(アメイジングニッポン)
撮影:内海明啓

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現役社長 経営ゼミナール

Q.起業を決める前、決めた後でも多々判断する場面が出てきてます。
自分が楽できる方向ではなく、客観的に見ようとはしてますが、不安になる事が多々あります。正しい判断と決断は何をもってされてますでしょうか。
(東京都 会社員)

A.
社内のキーパーソンとディスカッションしながら意思決定を行うことで、その客観性を担保できると思います。そして判断には何より迅速さが重要です。正しい判断をしようと、材料が完璧に揃うまで待ってから意思決定をしたのでは、環境の変化に乗り遅れてしまいます。一旦判断をしたらその決定が正しかったのかについてくよくよ悩まず、下した判断を正しくするという気持ちで取り組む姿勢が大切です。