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第102回 株式会社マクロミル 杉本哲哉 5
<未来へ~マクロミルが目指すもの>
「マクロミルっていい会社」と働く人に選んでもらえる理想の会社にしていきたい
代表に復帰してすぐにホームページ上のメッセージや、社内の全社ミーティングで伝えたことは、「再ベンチャー宣言」。まず、これを強く打ち出しました。その理由としては、ひとつは既存事業が10年間の時を経て、エポックメイキングなサービスではなくなったこと。コモディティ化してきましたし、ネットリサーチのコンペティターが増えたことで部分的に価格競争を強いられることも出てきた。既存のネットリサーチ事業の建て直しが急務だと。もうひとつは、自分たちはベンチャーだという意識を再認識して、既存事業以外の新しいことに挑戦していこうと。これまでのリサーチ領域だけでなく、「IT×マーケティング」領域で可能性がある事業を全力で検討し、既存事業プラス新規事業、両方を強化していきたいと考えたのです。
さらに、創業時に燃えたぎっていた社内のベンチャーマインド、会社としてのカルチャー、それをもう一度呼び覚ましたい。まず、それを役員に強く説いたんですね。そうしたら、「本気でそれをやるなら、もう一度、杉本が代表に就き、先導していくのがいいんじゃないか」と同意してもらえた。7月に復帰してから、半年ほどしか経っていませんが、スピード感とか、既存事業の強化、新規事業への挑戦、ベンチャーマインドの呼び覚まし、徐々にではありますが、成果が出始めていると思っています。足掛け3年になりますが、法政大学のゼミと大学院の客員教授をさせてもらっていまして、2010年の4月まで授業があります。だから今は、二足のわらじの状態。大学にも会社にも申し訳ないなあと。もちろん、両方一所懸命やらせてもらっていますけど。
将来的な会社規模は、年商で200億~300億円、社員数で500~1000人の間。そのくらいはリアルにイメージできますが、ソニーさんみたいに10万人とか、そこまでは想像していません。これからどうなるかはわかりませんけど。ただ、いろんな人がいろんな会社で、いろんなことを考えながら働いていて、転職したり、独立したりしますよね。そんな彼らが「最終的に行き着く場所」ではないですが、事業内容、制度、カルチャーや人材の魅力とかいろいろな面で「マクロミルっていい会社だな」と、できるだけ多くの人から、働きたい会社として、または仕事を依頼したい先として選ばれる理想の会社にしていきたいと思っています。僕の根本って結局昔からまったく変わっていないのですが、一緒に働くメンバーが毎日、笑顔で、明るくて、楽しく仕事をしている状態をつくりたい。会社としての規模は小さくても、それが一番大切なことだと思うんですよ。
<これから起業を目指す人たちへのメッセージ>
起業の前提は、継続して会社を成長させ続けること。勝ち残る可能性の高いマーケットで勝負しよう!
ドリームゲート・ユーザーの中には、学生さんもいますよね。僕は、起業すること自体はとても素晴らしいことだと思っています。でも、起業する前にいくつかの組織を経験しておいたほうがいい。できれば、それはいくつかの会社組織が望ましい。素晴らしい会社を経営している学生ベンチャーも少なからずありますから、“should”“better”で、“must”ではないですけどね。僕自身も新卒で入社したリクルートから、たくさんのことを教えてもらいましたし、どんな会社にも良い部分も悪い部分も両方あるんですよ。だから、悪い部分は反面教師としてとらえ、良い部分は先人のありがたい教えとして吸収する。それがあるのとないのでは、だいぶ起業の成功確率が違ってくると思いますね。
ただし、「起業を恐れるなかれ」とも言っておきたい。取って食われるわけではないし、失敗したら二度と立ち上がれないとかよく聞きますが、そんなことない。世の中にはあなたのことを見てくれている人がいて、一所懸命頑張っていれば、必ず正しい評価をしてくれる。しらけた見方をする若者が増えているのは心痛いですが、世の中、意外とうまくできていると思います。もちろん、始めてすぐに評価されるのは無理ですけど、「いつか必ず」と信じ、正しいと思うこと、どうしてもやりたいと思うことは、ぜひやり続けていってほしいです。人生一度きり。お互い悔いのない人生を送りましょうよ。大人になって、「ああ、本当は小説家になりたかった」なんて、缶コーヒー飲みながらぼやいていても、何も始まらないんですから。
今の時代、サイドビジネスとか、サブ的なものも含め、インターネットを軸にビジネスを考える人って多いでしょう。でも、僕がやってきた経験でいうと、ネットビジネスはけっこうお金がかかる。本気でやるなら大規模なサーバーやインフラ設備が必要ですし、もしも通信障害が起ころうものならものすごい損失が生じます。何を伝えたいかというと、安易な気持ちで始めるとなかなかうまくいきません。人、モノ、金、そして情報を、まずは自分で集めて、イザとなったら自分で責任を取ると腹を決める状態になれるかどうか。そこまでできたなら、ぜひとも突っ込んでいくべきです。お互いに日本を元気にするために頑張りましょう! 私も頑張りますよ。大人に元気がないと、日本の未来を支える若者たちだって元気にならないんですから。
<了>
取材・文:菊池徳行(アメイジングニッポン)
撮影:内海明啓
Q.10年後、30年後、日本はどんな社会になっていると思いますか?(兵庫県 会社員)
A.
現在、日本は 1.グローバル化 2.少子高齢化 3.地方衰退化 4.IT化 5.環境対応化
の波にのまれ、いくつもの大きな岐路に立たされているように思います。
戦後、「奇跡の復興」と言われた日本が重視したのは、若者に対する「教育」。これからの10年は、再度ニッポンの「教育」を見つめ直し、ある種成熟した先
進国のあり方を示すことに活路を見出すべきだと考えています。
恐らく世界の「極」は米国と中国が二分しているでしょうから、 様々な分野によって与する「極」を選択しなければならないかもしれません。
30年後…というと私自身も晩年ですが、できることならば、引続き日本が世界の中で尊敬され、意義ある存在感を持っていて欲しいですね。

