第18回 株式会社サイバーエージェント 藤田 晋 3

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<初めての会社勤務。そして就職>
アルバイト情報誌で見つけた広告代理店で営業スタート

  会社といえばスーツを着て働くところ。単純にそう考え、スーツを購入した私は、アルバイト情報誌である広告代理店の募集広告を見つけます。その広告 には「営業はスーツ着用での勤務となります」という一文が書かれていました。そして私は、オックスプランニングセンター(現オックスプランニング 以下、 オックス)という、元リクルート社員たちが中心になって立ち上げた会社で営業の仕事を始めるのです。

  大手通信会社が発行するフリーペーパーに始まり、採用情報誌、スクール情報誌、タウン誌、看護士向け求人情報誌などなど、本当にさまざまな業種、業態のメ ディアの広告営業を経験させてもらった。夏の暑い日でも、飛込み営業を1日100件するなど、自分にさぼることを許さず、一所懸命仕事をしました。ミュー ジシャンへの夢は歌が下手で断念した。同じように、社長も仕事ができないとなれない。そんな焦りもあったのだと思います。結局、大学卒業までの約2年半、 この会社にお世話になりました。

 大学4年になり、私をかわいがってくれていたオックスの専務から、「うちに就職してもいいけれど、ほかの会社も見ておいたほうがいいぞ」と言わ れ、就職活動を開始。大手企業に行くつもりはまったくなく、ベンチャー企業に絞って会社を探しました。その活動の中で出合ったのが、インテリジェンスで す。現在USENの代表取締役社長である、宇野康秀さんが立ち上げた会社で、新卒セミナーで宇野さんの話を聞いたのです。

 私は、この頃『ビジョナリー・カンパニー』という本を読んで、「21世紀を代表する会社を創る」という将来目標を打ち立てていました。新卒セミ ナーで、宇野さんの壮大な計画性と真剣なまなざしに、私の心は動かされました。もしかしたらこの会社で自分の志を共有できるかもしれない……。正直、直感 ではあります。お世話になったオックスには申し訳ないと思いましたが、私はインテリジェンスへの就職を決断したのです。

<入社1年目にして起業を決意>
事業内容が定まらないまま、会社設立にこぎつける

 インテリジェンスに入社した私は、希望通り採用コンサルティング部門に配属されます。始発で会社に来て、始業時間が始まる頃には営業に出かけ、夜は 終電ぎりぎりまで仕事。土日などの休日も当然出社。ゴールデンウィーク、夏休みもとらず、1日も休むことなく私は働き続けました。当時のモチベーション は、毎月の自分の営業目標をどれだけ大きく超えられるかどうか。結果、1年目にして自分ひとりで稼いだ粗利益額は5,000万円です。そうやって常に自分 のパフォーマンスを意識していました。

 当時、インテリジェンスでは「キャリアモザイク」という求職サイトを運営しており、私はこのサイトの営業にも携わっていました。インターネットは 個人的に大学4年生の頃から始めており、なんとなくですが将来の可能性も感じていました。後にネット事業での起業を決めたのも、この頃の営業経験が少なか らずあったのだと思います。ちなみに、「キャリアモザイク」の採用管理システムをつくっていたのが、当時、オン・ザ・エッヂの代表取締役社長だった堀江貴 文さんです。

 そして入社1年目の12月、友人からの1本の電話をきっかけに、私は起業することを決意します。宇野社長をはじめ、インテリジェンスの先輩たちか らは何度も留意をされました。けれど、私は一度決めたら絶対に信念を曲げない性質。しかし、当初考えていた仲間との起業計画は頓挫します。そんなこんなで 決意してから実際の起業までの紆余曲折はありましたが、最終的に宇野社長からの出資を受け、1998年3月18日、サイバーエージェントを設立したので す。

 ちなみに、会社をつくることは決めたものの、事業内容はぎりぎりまで決まりませんでした。それでもインターネットの将来的な可能性の大きさ、そし て、インターネット業界に営業がいなかったということもあり、インターネット業界の営業代行という方向性で事業を運営していくことに決めました。こうし て、1998年4月、「21世紀を代表する会社を創る」という目標に向かって、私のネクストステージが始まりました。

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